御劔　光の風３
永は失われたままだ。

「幼い頃に別れたきりです。」

貴未の答えに長が落胆の声を放った。

貴未は深呼吸をすると背を向けていた身体を向き直して長の顔を見る。

目は腫れて鼻も赤いが貴未の顔は笑っていた。

「分かりました。引き続き永を探します。」

迷いはなかった。

永が死んだという根拠はない。どこかに捕らえられているのなら、助けられるのは貴未しかいない。

そんな気がした。

貴未は永を捜し出すことを決めたのだ。

目標を決めたのなら動いていくだけ、貴未は目の輝きを取り戻して前を見据えた。

「長、あと一つ。光の精霊の居場所を教えてください。」

大事なお遣いでもあるそれはカルサとの約束、新たなる戦力だった。

突然の貴未の申し出に長は驚いていたが、その表情はどうやら何かを含んでいるようだ。

「光の精霊だと？貴未、お前は一体何をしているんだ？」

マチェリラのように、長は異常なまでの反応を示している。

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