御劔 光の風3
「…カルサ、さん…?」
消えそうな声で呟くと、安心したのか全身の力を抜きながら一歩二歩と後ろへ下がっていく。
重なり合っていた刄は力なく滑り、そのままの流れで地面に落ちた。
自分の今の状況が理解できず、日向は剣先を地につけ剣を握りしめたまま立ち尽くす。
とりあえず殺気を失ったことは安心しカルサは改めて辺りを見回した。
魔物の死骸が所狭しとひしめきあっている悲惨な状況だ。
おそらく本人は気付いていないだろうが、日向のまた返り血を浴びて全身が染められていた。
「無茶を。」
ため息と共に出た言葉は日向の心に突き刺さる。
自分のしたことは決して褒められたものではないと目の前にしてそう言われてしまったのだ。
ただ己を見失い狂気に走っただけ、味方に危害を加えていないかと問われれば分からないとしか答えられない状況だった。
一体何をしてしまったのか、そんな感覚に捕らわれ手から剣が落ちていく。
無機質な金属音が足元で響き余計に虚しさを増幅させた。
なんて軽い音なのだろうかと。
「歩けるか?」
カルサの言葉に日向は頷く。とてもじゃないが自分のした事に対しての羞恥心で顔を上げられなかった。
「お前をここに置いておく訳にはいかない。テスタの所へ連れていく。」
それがどこを指しているかなんて分からなかったが日向には頷く以外の選択肢はない。
そうして日向はテスタの所で過ごす事になったのだ。
消えそうな声で呟くと、安心したのか全身の力を抜きながら一歩二歩と後ろへ下がっていく。
重なり合っていた刄は力なく滑り、そのままの流れで地面に落ちた。
自分の今の状況が理解できず、日向は剣先を地につけ剣を握りしめたまま立ち尽くす。
とりあえず殺気を失ったことは安心しカルサは改めて辺りを見回した。
魔物の死骸が所狭しとひしめきあっている悲惨な状況だ。
おそらく本人は気付いていないだろうが、日向のまた返り血を浴びて全身が染められていた。
「無茶を。」
ため息と共に出た言葉は日向の心に突き刺さる。
自分のしたことは決して褒められたものではないと目の前にしてそう言われてしまったのだ。
ただ己を見失い狂気に走っただけ、味方に危害を加えていないかと問われれば分からないとしか答えられない状況だった。
一体何をしてしまったのか、そんな感覚に捕らわれ手から剣が落ちていく。
無機質な金属音が足元で響き余計に虚しさを増幅させた。
なんて軽い音なのだろうかと。
「歩けるか?」
カルサの言葉に日向は頷く。とてもじゃないが自分のした事に対しての羞恥心で顔を上げられなかった。
「お前をここに置いておく訳にはいかない。テスタの所へ連れていく。」
それがどこを指しているかなんて分からなかったが日向には頷く以外の選択肢はない。
そうして日向はテスタの所で過ごす事になったのだ。