御劔 光の風3
「無事で良かったわ。」

マチェリラは微笑み、貴未の頬に触れ改めて彼の姿を目に焼き付けた。

不安げに揺れる貴未の目が何かを訴えている、それに気付いたマチェリラは表情だけで口にするように促した。

目を細めた貴未の表情はとても切ない。

「マチェリラ、どうしてそんな姿になってまで待っていてくれたんだ?」

圭の言葉を聞いたときからずっと疑問符が付きまとっていた。

マチェリラがそこまでした理由。

〈永〉という名の魂を受け継がせてきた理由も、そしてこの球体を持つ理由も見当が付かないのだ。

「大切な友人だから。」

マチェリラはそう微笑んで口を閉じる。

それは今までに見たことがないくらい、強く貴未の胸を打つ表情だった。

多くを含み、そして深い意味を持っているのだろう。

「…マチェリラ?」

しかしそれは今の貴未には理解できない域にあった。

彼女の口から何故かを聞きたい。

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