【完】あの日の約束
―――ドンッ―――


もう、後ろには壁しかない…。


 いっくんの手が逃げ道を阻む。


「あっ、え?ちょっと!」


「黙れって。」


切れ長な瞳で、まっすぐ私を見つめるいっくん。


私が知ってた、いっくんとは違う。


「いっくんっ!?」


「樹。樹って呼んで。」


「…い…つき?」

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