君の『好き』【完】






チャイムが鳴ると、





吉井くんがぱっとこっちを向いて目が合ったから、


すこし驚いた。




きりっとした眉毛の下には、


くりくりっとした大きな黒目がちの瞳




真面目そうだな、吉井くんって。



黒髪のせいかな.....



頭良さそうだし、


爽やかだし、




整った綺麗な顔.......



でもやっぱ風間先輩の方がかっこいい!!




風間先輩をチャラいという人もいるけど、


私はそこがいいと思う。


そんなことを考えていたら、




ガヤガヤと周りの生徒が、帰りの準備をし始めた。




「吉井くんって背が高いね」





思い切って吉井くんに声をかけると、


吉井くんはちょっと上目で睨んできた。





「前見えんの?」





「え???」




「そんなちっちゃくて」




「ちょっ、失礼だな!!」





なんだよ!真面目そうで、優しいのかなって思った私が、



バカだった!


全然違う!超失礼な奴だ!!




ぷくっと頬を膨らませると、


吉井くんは見下すように、私を見た。




「立ってみ」




「え、えええ???」





そう言って、吉井くんは私の隣に立った。



私も立ち上がると、



吉井くんを見上げた。




背、高っ!!!




吉井くんは私の頭に大きな手のひらを乗せて、



私の顔を覗き込んだ。





「ちっちぇー」




















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