ツンデレくんをくれ!
「くっそう、あたしだってカツ丼食べたかったのに」

「カルビ丼食べとるやん。太るよ」

「ご飯だけ中出にやるつもりだったのに」

「うわ、最悪。死ね」

「お前が死んどけ。せっかく食後に食べようと思ってたのに」

「だから大食いって言われんだよ」

「てか、なんであたしが大食いってこと知ってんの?」


あたし、中出の前ではあまり食べてないのに。


というか、食べれてないという言い方の方が正しいけど。


「や、食べてないとか言って普通に食べとるやん。並のラーメンとご飯一緒に頼むとか普通やん」

「……他の女の子はラーメンだけ食べてると」

「そうじゃないんけ?」


そうです。他の小さい女の子達は、並のラーメンですらお腹いっぱいと言って残すくらいです。あたしは大食いの中の大食いに入ります。


くっそ。こいつにもばれてたか。なんだかすごく悔しい。


「てか、その身長で食べないほうがおかしいやん」

「まあね」

「まあ、言うほど気にしとらんけど、俺は」


そう言って、中出はカツ丼(メガ盛り)を食べることに専念した。


……こいつ、今若干デレた?


あたしの自意識過剰かもしれないけど、気にしてないって、もしかして大食いでもいいってこと?


こいつ、まさかのツンデレ?


「中出って、ツンデレなの?」

「はあ?」


顔を思い切りしかめられた。


うん、違うみたい。


< 48 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop