ツンデレくんをくれ!
……ていうかさ。


この状況って、かなりよくない?


好きな人の部屋にいて、好きな人が傍で寝てるって…………。


寝顔、見放題じゃん。


思い立ったら即行動。


あたしは本を閉まって、ベッドの傍まですり寄って布団を少し引き下げた。


わーお。完全に無防備ですね、中出さん。


中出は幸運にもこちらを向いて目を閉じていた。


眼鏡を外して、目をつぶって寝息をたてる中出は予想通り、いつもより幼い。


可愛い。


緩んでしまう頬を抑えることができない。


すごく愛らしい。


こうしてみると、焼けてるけど意外に肌綺麗だな。あ、でも頬の横にニキビ発見。


顔を少し近づけると、中出の匂いがした。


ふわりと柔らかくて、全然きつくない匂い。


いつまでも傍にいたくなるような匂いだ。


中出、こんな匂いを纏ってたんだ。もったいない。愛想悪いから損だよ。


明るい茶色に染められた髪の毛は首の上で切り揃えられているけど短いわけではない。長いとも言えないけど。


女の子でいう、ベリーショートくらい。ちょっと髪の毛の量が多くなったくらいの。


さらさらしていて、触ったら気持ち良さそう。


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