凪とスウェル
窓を閉めた途端、一気に顔が緩んだ。


隆治が会いに来てくれた。


しかも、初日の出を見に行こうだって。


「やったー!」


ひとりでガッツポーズをすると、あたしはすぐに着替えを始めた。


外は寒そうだったな。


厚着しなくちゃ。


急いで着替えて1階に下りると、あたしは顔を洗い、髪を整えた。


ダイニングテーブルに置かれたおせち料理の横にメモを残すと、あたしはドキドキしながら玄関の扉を開けた。


開けると、目の前に隆治の姿。


「お、お待たせ」


「じゃあ、行こう」


コクリ頷くと、二人で坂を下る。


隆治はジーンズを履き、あたたかそうなフード付きの黒のダウンジャケットを着ている。


なんてことないカジュアルな格好なのに、その姿が妙に格好良く見えて、あたしは胸がドキドキしてしまうのだった。
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