凪とスウェル
「あれば便利だろうけど、なければないなりに暮らせるもんだ。

島に来て、それを学んだ」


うーん。


確かに…。


よくよく考えてみれば、世の中無駄なものが多いのかもしれないよね…。


なくても生きていけるのに、みんなが持ってるからって、つい持ってしまうものって結構沢山あるよね…。


「用事ある時はさ、店に電話して」


「え?」


「キヨさん、電話の横にウチの店の番号貼ってるはずだから」


え…。


それって。


あたし、隆治に電話していいってこと?


うっそ。マジで~?


「あっ。じゃあさ、あたしの携帯の番号教えとくね」


嬉しくて、つい声が弾んでしまう。


携帯なくても、店からかけてもらえばいいんだもんね。


「別に聞かなくていい」


「はぁ?なんで?」


「……。かける用事ないから」


なっ、何それー。


なんか、ムカつくんだけど!
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