凪とスウェル
ロマンチック…とは言い難かったけれど、隆治と初日の出を見れたことにあたしはかなり感動していた。


隆治と別れて家に帰ると、おばあちゃんとお母さんは既に起きていて、雑煮の準備をしてくれていた。


おばあちゃんが出してくれるお餅は、柔らかくて伸びもいいから大好きだ。


ついついおいしくて、沢山食べてしまった。


やばい。正月早々太りそう…。


午後になると、あたしの携帯に1本の電話がかかってきた。


電話の相手は隆治だった。


『どうだ?俺様の記憶力は』


ただそれだけ言って、ブチッと電話を切られてしまった。


なんだ、それ?と呆れてしまう。


でも…。


ホントに番号を覚えていて、ちゃんとかけてくれてくれたことが嬉しかった。


あたしはなんだかんだと言いながら、どんどん隆治に夢中になっていく自分に気づいていた。
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