凪とスウェル
「うーん…。確かに曖昧ではあるよね」


2月の寒い日だというのに、あたしとハルは相変わらず教室横のベランダで内緒話をするのがお決まりだ。


冬休みに隆治への気持ちがハッキリしたあたしは、ハルに自分の気持ちを打ち明けていた。


あたしは基本、恋愛相談を友達にはしないのだけど、隆治に関してはさっぱりわからなくて、ついハルに相談してしまったというわけだ。


「はたから見てると、二人は付き合ってるように見えるし、実際そういう噂もあるしね」


それは、あたしも耳にしたことがある。


付き合ってるのかって、色んな人に聞かれたし。


以前、隆治が湯本さんにあたしと付き合ってるなんて言ったから、彼女の口から彼女の友達に伝わっているだろうし。


毎日一緒に学校に来てたら、そりゃそんな噂も立つでしょうよ。


「だけどすずちゃんは、八神君の口から好きとは聞いてないってことなんだよねぇ?」


「うん…」
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