凪とスウェル
「い、いやーーーーー!」


あたしの甲高い声が、家中に響き渡る。


ガラッと脱衣場の扉が開き、おばあちゃんと母さんが駆けつけて来た。


「どうしたんねぇ」


「だって、だって…この頭。

まるで昆布みたいなんだもの」


そう言って、うわーんと泣いた。


「すず、そんなことないって」


「綺麗に染まっとるよ。

やっぱり日本人は黒髪じゃ」


ダサい。


ダサ過ぎる。


これじゃあタダの真面目ちゃんじゃん。


東京の友達に会ったら、何て言われるか……。


思わず、はぁと長いため息をついた。


引越し早々最悪なことばっか。


いやだ、こんなとこ。


高校卒業したら、さっさと東京に戻ってやるーーー!
< 16 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop