凪とスウェル
次の日、東京から引越しトラックがやって来て荷物が運び込まれた。


あたしが愛用していたベッドは、おばあちゃん家の狭い階段には通らないし、狭い窓枠からも通せないってことで、仕方なく東京に置いて来た。


2階の6畳の和室。


ここが、これからのあたしの生活スペースだ。


勉強机の椅子に腰掛けると、穏やかな海と小さな島々が見渡せる。


と言うか、それ以外のものが全くないんだ。


「あたし、これからどうなっちゃうんだろう」


思わず、ぽつり呟いていた。


東京のマンションからの景色とは全く違うあまりに静かでのどかなこの景色に、気が遠くなるあたしだった。

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