凪とスウェル
必ず相手を説得して俺を迎えに来るから、それまで辛抱してもらえないかって頭を下げるんだ。


俺は、ふざけるなって怒った。


俺の東京での生活、どうしてくれるんだよって。


友達や、部活の顧問の先生とは?


何も言わずに離れろって?


しばらくってどれくらいだよ?


数ヶ月?


半年?


それとも何年もかかるのか?


自分さえ幸せなら、それでいいのかよって。


もう怒鳴って怒鳴って、怒鳴りまくった。


母親は目に涙を溜めてたけど、そんな顔されたって知るかよって思った。


結局、俺が邪魔になったから、じいちゃんに押し付けようとしているだけなんだろ?


しばらくすると、じいちゃんが出て来て、母親にこう言った。


お前はもう死んだものと思うからって…。


島のみんなにもそう言うから、もう二度と島に現れるなって…。
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