凪とスウェル
おそらく先生が転校生が来たと、みんなに紹介したのだろう。


転校生なんて前の学校でも珍しいことだったから、こういう田舎の学校だと、もっと珍しいことなのかもしれない。


いやでも注目されるのだと思うと、少し緊張してしまう。


あたし、変じゃないよね?


いや、あたしの中じゃ充分変なんだけど、この高校の基準じゃおかしくないわよね?


髪も黒に染めたし、セーラー服のスカート丈だって、ちゃんと規定の長さになっている。


メイクだってして来てないし、先生方も何も言わなかったものね。


そんなことをブツブツ思っていたら、ガラッと教室のドアが開いた。


「植村(うえむら)さん、入って」


先生がにっこり笑って、あたしを手招きをした。

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