凪とスウェル
おばあちゃんが家に帰って来たのは、もう外が暗くなった頃だった。


おばあちゃんが言うには、明日がお通夜で、明後日が葬儀になるらしい。


おじいちゃんのきょうだいや、姪や甥が続々と本土から足を運んでいるそうだ。


おじいちゃんの死因は、急性心筋梗塞。


お医者様がおっしゃるには、おそらく苦しむことなくお亡くなりになったのではないか、とのことだそうだ。


元気な人が突然そうなることは実は珍しい話ではないと聞いて、あたしはショックを隠せなかった。


「おばあちゃん…。

隆治の様子は…?」


「うん…。

元気がなかったよ。

当たり前じゃろう。

おじいさんが亡くなったんじゃけぇ」


おばあちゃんの言葉に、胸が疼くように痛んだ。

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