凪とスウェル
はぁと、長い息を吐いた。


成り行きで、隆治と二人きりで過ごしてしまったけれど。


やっぱりこんなこと、間違いだったのかもしれない。


あたしと隆治は、もう関わっちゃいけない。


こんなの、危険過ぎる。


3年前で、もう涙は枯れてしまったし。


思い出も全部封印した。


もう鍵を開けることなんか、


二度とないと思っていたのに…。


「お待たせ。タオル買って来た」


気がつけば、隆治が目の前にいて。


さっとタオルを差し出してくれた。


「ありがと…」


あたしはそのタオルを受け取ると、濡れた髪の毛や顔を拭った。


服にも、すっかり水が滲み込んでいた。


あーあ…。何やってんだか。


情けなくてため息をついた、その時だった。


「ちょっとこっちに来て」


突然あたしの腕を掴み、ベンチから立ち上がらせる隆治。


「ちょっ、何?」


戸惑うあたしを無視したまま、隆治はあたしの腕を引いて、スタスタと歩き始めてしまった。
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