凪とスウェル
溢れる思い
それから半年以上の月日が流れたある日のこと。


晩ごはんの後、千春さんに声をかけられた。


いつもパンを届けている友達について相談があると言われた。


その友達はものすごい美人なんだけど、勉強ばかりしていて、全く遊んでいないのだとか。


女子大だから出会いもないし、彼氏もいなくて、なんだかすごくもったいない。


長谷川君の友達で、誠実そうな男の人がいたら紹介してもらえないかと、そう言われた。


突然のお願いにビックリしたけど、いつもパンを買ってくれているお得意さんだったし、俺は真剣に考えた。


色々考えた結果、ピッタリのヤツが見つかった。


かなりの男前なのに勉強ばかりしていて、彼女もいなくて、なおかつ性格の良いヤツが一人だけいた。


そいつに電話をすると、普段はそういう話には乗って来ないのに、ものすごい美人でしかも遊んでないというところに惹かれたのか、あっさり引き受けてくれた。


俺は俺で、パンのお礼が言いたかったし。


ガラにもなく、その日がとても楽しみだった。
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