凪とスウェル
そして迎えた当日。


待ち合わせ場所の居酒屋に片岡と一緒に入ると、俺に手を振る千春さんの姿が見えた。


その隣に座る一人の女性。


サラサラとツヤのある、濃いブラウンのストレートの長い髪。


スタイルも良さそうで、後ろ姿がやけに色っぽい。


これは相当な美人に違いない。


片岡、お前ラッキーだな!


そんなことを思いながら、彼女の向かいに回った途端。


俺は身動きが取れなくなった。


俺の目の前にいたのは…。




死ぬほど大好きだった、



あのすずだったから…。



顔を上げたすずも、俺を見て固まっていた。


何て声をかけていいかわからずに、咄嗟に出た言葉は。


皮肉にも「はじめまして」だった…。
< 548 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop