凪とスウェル
「ちょっと八神!アンタ何言ってんの?」


付き合ってるとか告白したとか、嘘ばっかり並べて!


「あの子、アンタのことが好きなのよ?

そんなこと言われたら、傷ついちゃうじゃない!」


言った後、ハッとした。


しまった。


あたしがそんなこと言っちゃダメなのに、つい口が滑ってしまった。


どうしよう…。


肩をすくめていると、八神がはぁと息を吐いた。


「知ってたよ」


「え…?」


「アイツの気持ち、知ってた」


うそ…。


八神は、湯本さんの気持ちに気づいてたの…?


「ついでに言うとさ、お前がアイツに気を遣ってフェリーの便を変えたり、俺らと離れて座ってることにも気づいてた」


「八神…」
< 89 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop