凪とスウェル
「実はここ、湯本の家の近所なんだ」


「えぇっ? うそ!」


「アイツがここを通るのわかってて、わざとここでお前と釣りをした」


「なっ」


なんてヤツなの?


し、しし信じられない!


「付き合ってるなんて言って。

変に誤解されちゃうじゃないの!」


「いいじゃねぇか。誤解させとけば」


冷めた顔で言い放つ八神。


「あたし、湯本さんに協力するって言っちゃったんだから。

嘘ついたことになるじゃない!」


これじゃ完全にあたしが湯本さんを裏切ったことになっちゃう。


「アンタのせいで、友達がひとり減っちゃったわよ!」


思わずハッと強く息を吐いた。
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