凪とスウェル
「あんたバッカじゃない?

もったいないわよ。

あんなに可愛い子、東京でもそういないわよ?」


性格も良いし、申し分ないと思う。


「可愛いのはまぁ認めるけどさ。

好みってモンがあるだろ?

俺には恋愛対象じゃなかったんだ」


「えー? アンタって贅沢ー」


イケメンの考えることはわからないわねー。


でもまぁ、女の子の気持ちを利用して、やることだけやる男子よりは全然誠実でいいけど。


「別に学校に一緒に行くくらいならいいんだけど。

そんなふうにお前に気を遣わせるんなら話は別だ」


「ど、どういう意味よ?」


八神はチラッとあたしを見ると、視線を海に落とした。


「お前が、いいんだ…」


「え?」




「俺はお前と一緒に行きたいんだよっ」
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