「お前」って言って!
キーンコーンカーンコーン

やっと、50分という苦痛の時間が終わり、私は急いで君の所へ行った。君は私を見ると、なぜか目を逸らした。

「…好きな人、誰?」

私はもう一度、君に聞いた。もう、どんな事を言われても平気な気がする。
私がジッと君の事を見つめると、君は私の手を引いて廊下に出た。

「どうしたの?」
「人が多かったから…」

君は私の手を離しながらそう言うと、私の真っ正面に立った。君ってこんなに背が高かったっけ…?

「…」
「…」

えっと…もう一回、聞いた方が良いのかな?

「…好きな人は?」
「…お前」

君はまっすぐに私の目を見て、そう言った。だけど、私は状況をよく、飲み込めなかった。
今…お前って言った…?

「ほ、本当に私なの?」

私がそう尋ねると君は静かに首を縦に振った。…りょ、両思いなんだ…。

「お前の好きな人は?」

すると、君は逆に私に聞いた。そっか。私の気持ちも伝えないと…。

「私の前に立ってる人…だよ」
「本当?」
「うん」

私も大きく頷いた。
こんな事って…本当にあるんだ。
私はとっても嬉しい気持ちになって笑うと、君も嬉しそうに笑ってくれた。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ラッキーセブン部
Woods/著

総文字数/156,060

青春・友情43ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『7』を持つ者たちが集う部活。ラッキーセブン部の部員の日常(?)みたいなのを書いてみました。 次回は侑目線です(笑) 体調不良のため一時休載します…… どうか忘れずに気長に待ってください(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋
ラッキーセブン部 【番外編】
Woods/著

総文字数/7,786

青春・友情10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
これから始まる物語はラッキーセブン部のクリスマスバージョンです。 本編の内容とは別バージョンという事なのでご了承ください^ ^ また、一人一人の視点がとても短いので読みにくいかも知れません。 それもご了承ください^_^;
コスモス〜遠くの君へ〜
Woods/著

総文字数/884

恋愛(純愛)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
この短編小説は事故で亡くなった女の子に気持ちが言えなかった男子の話です。本当に短編ですが、じっくり読んでくださると嬉しいです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop