[GL]キミとワタシが付き合うまで。


「ゴーメン!

あたしすっかり友達になった気でいた!」







「う、そ…」








「え?


だって友達じゃなかったら毎日お弁当一緒に食わないし。」






…なーんだ、ワタシ1人が気張ってたんだ。



心が、ほっこりした。








「じゃあ友達になった手始めに、敬語ナシ!」




「えぇぇぇぇえ!?ムムムムムムム、ムリっ…」




「それと、棗でいいから。」




な、つめ…ちゃん、かぁ。




「な、なつ…」




は、恥ずかしい!




「んー?」




「な、棗ちゃんっ!!…恥ずかしいよ…」




「…」




…あれ?


「おーい、棗ちゃん?

瞬きしないと目が乾いちゃうよー…」



「…ぁ、うん。」



彼女は、いっきにバチバチバチっと瞬きをした。



「じゃあ、あたしもみんなと仲良くなるの協力するよ!!


バスケ部のマネやってみない?」



「え、ぇぇぇえええ!?」



バスケ部のマネージャー!?




…でも、できない、とか無理って言うのはもうやめた。





「…やります!!」




「あ、敬語」




「ひゃぁ~ゴメンッ!」




「いいっていいって!!

はー、可愛いなー」



「…っ///////」




棗ちゃん、知ってる?



ワタシは、棗ちゃんのなにげない一言一言に、ドキドキしてる。



棗ちゃん、好きだよ。



なんて言えたら、どんなに楽だろう。






でも、高望みしたらワタシたちはきっと壊れてしまう。



だから、友達になれただけでもいいんだ。





「あたしも可愛くなりたいっ!!」




「え、棗ちゃんは充分可愛いよ!!」




「ホント!?


そんなこと言ってくれたの、ふにが初めて!」




「そうかな?」




だって、顔立ちすごく整ってるよ。




「あーあ、これであたしがほんとに可愛かったらなー…


アイツも振り向くんだけどなー…」




「え…アイツ?」



「あー、うん」



「棗ちゃん、好きな人…いたんだ。」



「…やっぱ、意外?」



「…そ、そんなことないよ!!

がんばってね、応援する!」



「ふに、ありがと!!


じゃああたしも、ふにがもっと可愛くなれるように協力しちゃう!!」



「あ、ありがとう…!」



「それで、あたしの好きな人は…」



“幼なじみの、建太なの”



< 23 / 37 >

この作品をシェア

pagetop