[GL]キミとワタシが付き合うまで。
「ゴーメン!
あたしすっかり友達になった気でいた!」
「う、そ…」
「え?
だって友達じゃなかったら毎日お弁当一緒に食わないし。」
…なーんだ、ワタシ1人が気張ってたんだ。
心が、ほっこりした。
「じゃあ友達になった手始めに、敬語ナシ!」
「えぇぇぇぇえ!?ムムムムムムム、ムリっ…」
「それと、棗でいいから。」
な、つめ…ちゃん、かぁ。
「な、なつ…」
は、恥ずかしい!
「んー?」
「な、棗ちゃんっ!!…恥ずかしいよ…」
「…」
…あれ?
「おーい、棗ちゃん?
瞬きしないと目が乾いちゃうよー…」
「…ぁ、うん。」
彼女は、いっきにバチバチバチっと瞬きをした。
「じゃあ、あたしもみんなと仲良くなるの協力するよ!!
バスケ部のマネやってみない?」
「え、ぇぇぇえええ!?」
バスケ部のマネージャー!?
…でも、できない、とか無理って言うのはもうやめた。
「…やります!!」
「あ、敬語」
「ひゃぁ~ゴメンッ!」
「いいっていいって!!
はー、可愛いなー」
「…っ///////」
棗ちゃん、知ってる?
ワタシは、棗ちゃんのなにげない一言一言に、ドキドキしてる。
棗ちゃん、好きだよ。
なんて言えたら、どんなに楽だろう。
でも、高望みしたらワタシたちはきっと壊れてしまう。
だから、友達になれただけでもいいんだ。
「あたしも可愛くなりたいっ!!」
「え、棗ちゃんは充分可愛いよ!!」
「ホント!?
そんなこと言ってくれたの、ふにが初めて!」
「そうかな?」
だって、顔立ちすごく整ってるよ。
「あーあ、これであたしがほんとに可愛かったらなー…
アイツも振り向くんだけどなー…」
「え…アイツ?」
「あー、うん」
「棗ちゃん、好きな人…いたんだ。」
「…やっぱ、意外?」
「…そ、そんなことないよ!!
がんばってね、応援する!」
「ふに、ありがと!!
じゃああたしも、ふにがもっと可愛くなれるように協力しちゃう!!」
「あ、ありがとう…!」
「それで、あたしの好きな人は…」
“幼なじみの、建太なの”