やくたたずの恋
 雛子は一瞬迷ったものの、敦也に事の経緯を話すことにした。もちろん、父や自分の素性は隠しながら。
「へぇ……。借金をチャラにする代わりに、恭平と結婚ねぇ……。あの影山社長がそんなことを君に命令したんだ」
「でも、恭平さんに結婚を拒否されてしまったので、私が『Office Camellia』で働いて、何とか結婚を承諾してもらうことにしたんです。だけど『Office Camellia』が、こんなことを仕事にしているとは思わなかったものですから……」
 雛子の言葉の端々には、『Office Camellia』の仕事に対する、拒否反応が見える。それを感じ取った敦也は、苦笑いを雛子に向けた。
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