やくたたずの恋
 彼がそんな考えの下に、あの会社を作ったことは立派だ。そしてそんな人助けの精神を持つ男性と結婚できることは、悪いことではない気もする。
 ……だけど。だけどさ!
 たとえ『Office Camellia』で無事に一か月働けたとしても、いろいろと難癖をつけて、結婚を断られそうな気がしてしまう。「やっぱりBカップはダメ」とか「貧乳と結婚するほど、俺はお人好しじゃない」などと言われそうだ。
 それを考えると、恭平を素直に認められない。そして彼との結婚さえも、全く現実味のない夢物語のように思えてしまう。
「……私、本当に恭平さんと、結婚できるでしょうか?」
 思わず発した雛子の言葉に、「うーん」と敦也は考える素振りを見せる。
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