やくたたずの恋
 炭水化物は控えめで、野菜を多めに。敦也が伝えた好み通りの料理を選び、皿に乗せている。
 時々、「この料理、美味しいのかな?」と言いたげに首を傾げる。その仕草も、敦也にとっては微笑ましく、甘酸っぱいキャンディーの味を思わせる。
 ……おっと。彼女はどうやら、男性客に話しかけられているようだ。
「そこの可愛いお嬢さん、パートナーがいらっしゃらないなら、僕とご一緒しませんか?」
 そんな表情で話しかける外国人客に、身振り手振りを加えて話している。それも雀のダンスのようで可愛い。
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