やくたたずの恋
「じゃあお母様は、今はお父様のことを好きなの?」
「もちろん、大好きよ」
母の答えには、淀みは一つもなかった。本当に心から、「大好き」と言っていたのだ。父からさんざん「役立たず」と言われ、酷い目に遭っているのに、「大好き」と言えるなんて。それが「好きになる努力」の賜物なのだろうか?
……じゃあ、私にも「好きになる努力」は、できるのかな?
ココアをぐい、と飲み干して、雛子は大きく息をつく。涙が乾いた頬がつっぱって痛かったが、甘く染まった吐息がそれを解していく。
そうだ。私だって、恭平さんを好きになればいいだけじゃない。
きっとそれは、できないことじゃない。だってあの人は「おっさん」だけど、あんな優しい表情もできる人なんだから。
「もちろん、大好きよ」
母の答えには、淀みは一つもなかった。本当に心から、「大好き」と言っていたのだ。父からさんざん「役立たず」と言われ、酷い目に遭っているのに、「大好き」と言えるなんて。それが「好きになる努力」の賜物なのだろうか?
……じゃあ、私にも「好きになる努力」は、できるのかな?
ココアをぐい、と飲み干して、雛子は大きく息をつく。涙が乾いた頬がつっぱって痛かったが、甘く染まった吐息がそれを解していく。
そうだ。私だって、恭平さんを好きになればいいだけじゃない。
きっとそれは、できないことじゃない。だってあの人は「おっさん」だけど、あんな優しい表情もできる人なんだから。