やくたたずの恋
「きゃー! 影山ちゃんのエッチー!」
「ほんと、影山ちゃんってスケベなんだから! 変態!」
 さっきの悦子同様に、女たちは媚びるような怒りを見せるだけで、本気で嫌がってはいない。かえって嬉しそうにさえ見えるほどだ。エッチだのスケベだのと言われている恭平自身も、何だか楽しそうだ。
 胸を揉まれて、なぜ嬉しいのか。しかもこんな男に、無闇に揉まれているというのに。
 そんな謎の世界を、雛子は開いたドアにしがみつきながらのぞき込む。
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