やくたたずの恋
志帆は顔色を変えることなく、雛子を見ていた。これは自分の物語ではない。そう判断し、紙芝居を眺めるかのように、結末を雛子へと委ねている。
そんな志帆の耳に、果たして自分の言葉が届いているのかどうか。雛子の心に雲がかかり始めるが、無理矢理に太陽を照らし出し、雲を追いやろうとした。
「恭平さんは、志帆さんのことを今もずーっと好きなんです! そしてそれ以上に、志帆さんを助けてあげたいって思ってるんです! でもそれは……恭平さんと志帆さんが、二人で不幸になることじゃないんです!」
「雛子! やめろ! もういい! もう十分だ!」
恭平はドアに体を預けて叫んだ。これ以上、雛子を巻き込みたくない。だが、もう巻き込んでしまっている。しかも渦のど真ん中に。
それでも何とか、彼女をここから出さなくては。雛子は、この世界の住人ではない。かつて恭平と志帆がいた、明るく美しい世界に戻るべきなのだ。
だからもういい。何も言うな。
恭平は赤い目を向け、首を振る。だが雛子は彼を見ることなく、志帆を目で捕らえ続けていた。
「嫌です! やめません! だって私は、恭平さんが好きだもん! 恭平さんが、志帆さんを助けたいって思ってるのと同じで、恭平さんを助けたいって思ってるもん!」
だから、負けたくはなかった。恭平が愛し、自分の身を捨ててでも救おうと思っている女になど、負ける訳にはいかない。
そんな志帆の耳に、果たして自分の言葉が届いているのかどうか。雛子の心に雲がかかり始めるが、無理矢理に太陽を照らし出し、雲を追いやろうとした。
「恭平さんは、志帆さんのことを今もずーっと好きなんです! そしてそれ以上に、志帆さんを助けてあげたいって思ってるんです! でもそれは……恭平さんと志帆さんが、二人で不幸になることじゃないんです!」
「雛子! やめろ! もういい! もう十分だ!」
恭平はドアに体を預けて叫んだ。これ以上、雛子を巻き込みたくない。だが、もう巻き込んでしまっている。しかも渦のど真ん中に。
それでも何とか、彼女をここから出さなくては。雛子は、この世界の住人ではない。かつて恭平と志帆がいた、明るく美しい世界に戻るべきなのだ。
だからもういい。何も言うな。
恭平は赤い目を向け、首を振る。だが雛子は彼を見ることなく、志帆を目で捕らえ続けていた。
「嫌です! やめません! だって私は、恭平さんが好きだもん! 恭平さんが、志帆さんを助けたいって思ってるのと同じで、恭平さんを助けたいって思ってるもん!」
だから、負けたくはなかった。恭平が愛し、自分の身を捨ててでも救おうと思っている女になど、負ける訳にはいかない。