あの子じゃなくて私を見て
序章
愚か者
私は消耗品。
ただのオモチャ。
遊んで遊んでボロボロにされても
ただ愛情だけを求めてその場を離れることができない。
飽きたら捨てられる。
そんなことはわかっている。
それでも“無”の愛情を求め続ける。
気持ち?
そんなの関係ないよ。
愛情?
瑠衣(ルイ)にはそんなの求めないよ。
瑠衣が誰を見てるかくらい知ってる。
だからこそ……。
「私から離れないでね。瑠衣」
愚か者。