ラヴィ~四神神葬~
 病院に来る途中、ゲットしたお見舞い必須アイテム(?)純白のかすみ草を総司から奪い取ると、紫乃は卓也の待つ304号室に向かって元気に歩き出した。

 彼女の目には憧れの王子・卓也しか映っていない。
 前向きな少女だ。

「あれ?でも何であの人、私が大切な人=卓也先輩に会いにくこと知ってたのかなぁ?・・・ま、いっか。細かいことは気にしなーい。卓也先輩、すぐ行きまーす」
「おい、卓也は何も逃げはしないぞ」
 彼女をなだめるものの、「逃げるなら今だぞ」と、心の中で卓也に知らせずにはいられない総司であった。
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