ワガママ狼男と同居始めました。





紅葉の髪に触れる。


日本の人間らしい、真っ黒な髪だった。

初めて意識して触ったけど、軽くて艶のある髪だった。

俺の髪は銀がかった黒だから、なんだか汚れているようで嫌だ。



「まっすぐな黒髪だな。」


「……そりゃ、どーも……。」



『置いていかないで』


まただ……。

こんなのただの妄想だろ……?


最近、丁の夢をよく見る。


暗闇に映える雪のような白毛が俺の方を振り返るときに、風になびく。


『……丁はお前に惚れていたんだ。』


じゃあどうして生きている間に言ってくれなかったんだ……?


そしたら、俺はきっと…………


お前のもとに戻ったのに……。



俺は丁のことが好きだったのか……?






< 108 / 243 >

この作品をシェア

pagetop