ワガママ狼男と同居始めました。
「せっかくこんな森まで来たんだから遊びたいよね……。」
「ホントだよー!」
林間学校と言う名前にふさわしく、私たちはこの美しい自然の中でガリガリ勉強をするのだ。
進学校も考えものだ……。
「ねぇねぇ、2時間くらい休み時間だしさ。ラウンジとか森の中とか行かない?」
「いーね!!」
私たちは外に出て、森の中を歩く。
お金ないし、遠出する暇もないし、森の中に来る機会なんて滅多にないからすごく珍しい。
しばらく歩き回っていると、反対方向から数人の男子が歩いてくるのが見えた。
志木たちだ。
「岡田さんたちも散策?」
「うん!」
志木と岡田ちゃんが話し出す。
おんなじ部屋の人たちと来ていたみたいで、霧島くんもいた。
「ねぇみんな!小野寺くんたちと一緒に行かない?」
「え、いいけど……。お、小野寺くんたちもう向こうまで行ったんでしょ?」
「別にいいよ。」
いつもと違う志木に不覚にもドキッとしてしまった。