ワガママ狼男と同居始めました。




激しい痛みをなんとか堪えて、両手を志木の背中に回した。

背中を覆い尽くす柔らかい髪の毛を優しく撫でる。

一瞬志木の力が弱まった。



「……大丈夫……。
嫌いになったり……しないから……。」


食い込んでいた爪が離れた。



「……好きよ。志木…………」



肩の痛みも和らぎ、目を開けると、満月の光に照らされる志木の顔が映った。



私の、涙が伝う頬に雫が落ちた。



志木の目から涙がこぼれる。



「……どうして…………」



弱々しい声で志木が口を開く。



今度は志木が私を強く抱きしめた。






「……どうして……こんなにも……お前は…………あったかいんだ…………」




志木の涙が傷にしみた。




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