ワガママ狼男と同居始めました。





だんだんガールズトークが盛り上がってきた。

それに耳を傾ける志木に腹が立って仕方なかった。



「ねぇ……。もうすぐ日が暮れるよ?帰らなくて大丈夫?」


「別に平気だよ?」


「私も……。もしかして何か予定ある?」


「いや……ないけど……。」


「そうそう!この犬、名前何て言うの!?」


「え……、えっと……。ポチ!」


「ポチ!?ギャハハハハハ!!」


岡田ちゃんが思いっきり笑う。

奏もお腹を抱えて笑っている。


志木を見ると、半端なくにらんでいた。


「……って言うのは嘘で!本当はしきみって言うの。」


「しきみって女の子か……。」


あ、色々間違えた……。


「しきみがいるから紅葉寂しくないね?」

奏が志木を撫でながら言う。


「……うん……。本当に大切な子なの。」


志木はあたしを一瞬見て、目をそらした。


なんだか可愛くて、志木の頭を優しく撫でた。






< 89 / 243 >

この作品をシェア

pagetop