@からはじまる。

「舎弟って、まだ、繋がってるの?弘崎くん。なら、なおさら別れなさい。」

廉は高校生の時は、ケンカが強く、有名な不良さんだったらしい。
今は、優しいし、ケンカもしない。

ただ、後輩くんたちから好かれているのだ。

「良い人達だよー。きっと。」

顔は怖いし、口も悪いし、態度も悪い。しかも、私のことを嫌いだろうと思う。

「あいつらの何処が、良い人なの?別れない
ら、仲直りしてよね。あ、次の講義始まるわ」

「ぶー。出来たらするもん。本当だ!次の講義始まるー。次の講義?行きたくないよー」

次の講義は、廉も受けているから、顔を合わせないといけない。ケンカして以来この講義が憂鬱で仕方がないのだ。

「なら、サボる?ふみんちゃん。」

「春くんだー」
「げ!春樹だ。」

春くんこと春樹は、ちぃちゃんの双子の兄で、私の読書友達。ちぃちゃん曰く本オタク。

「よ!最新刊でたんだよねー。買いに行かない?ふみんちゃん。」

「行きたい!行きたい!私も新しい本欲しい!!」

「ちょ!春樹!ふみを誘惑しないで!ふみは、次の講義があるんだから!!弘崎くんと仲直りするんでしょ?」

「ちぃは、相変わらず頭が固いなー。いいじゃん、おサボりぐらい。ねー、ふみんちゃん」

頭を傾けて、可愛く言う。

「ねー。春くん。いいでしょ、ちぃちゃん。廉とのことは後でやるから!!」

わけのわからない廉よりも本だ。本の方が大切だ。
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