未来からの贈り物
「私、この公園に犬の散歩に来るんですよ。その時いつもこのベンチにカップルがこんな感じでサンドイッチ食べてる姿を見てて、いつか私もしてみたいなぁって…夢が叶いました。」


そう言って少し照れ笑いで微笑む志穂さん。

カフェでさりげなく志穂さんのしたい事を探り出す。これが僕の当初のプランであった。


けれど彼女の無邪気な子供の様な笑顔を見たらそんな事はどうでも良くなっていた。


志穂さんのしたい事も叶ったうえに、幸せな一時を味わい事が出来たのだから…




この『運命の出会い』を独り占めしたい。


そう思うようになるまでそんなに時間はかからなかった。


そして僕はある大きな決心をして眠りについた。


…そう、あの『手紙』の事などすっかり忘れていたそんなある日である。


僕にとってとても大切な日になるであろう日の朝、枕元にあのピンクの封筒が置いてあったのだ。



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