未来からの贈り物
遠目ではあるがとても綺麗な女性なのが分かる。


無意識に『この席に来てくれ』


と、心の中で祈りながら彼女の足取りを追っている自分がいた。



そして彼女はこの座敷の前に立ったのである。


「ごめんなさい。仕事が長引いて…」


その声でようやくみんなは彼女に気がついた。


結果的に『手紙』の通りになってしまったが…


あまりにも素敵な彼女の前では、そんな事はどうだって良かった。


他の人達は盛り上がっているという事と、


僕が彼女の来店した時から、目で追っていたのを彼女も気づいていたらしく


彼女は迷う事なく僕の隣に座った。


その時の男性陣の、うらやましそうな顔を僕は忘れる事はないだろう。


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