アタシはゴミ収集車に恋をする
 授業が終わり、学内のパン屋でパンを買って、ひと気のない教室で食べることにした。


 はるきが少しこわばった様子で話しかけてくる。

「ゆな。返事もらえへんかなあ。別にせかす、とかでもないねんけど…」




 ショウさんがキラキラ星人だとわかる前、アタシは普通にはるきと付き合うつもりでいた。なんちゅー無駄なモテ期だ、とは思いつつも、はるきには、前向きに考えていることを伝えていた。




 でも…。

 今、アタシの気持ちはショウさんに向いている。たとえ、ショウさんが31歳のおっさんでも。
 だけど、ショウさんはアタシのこと好きなのかしらん? アタシと手をつないだり、見つめ合ったりしたけど、本当のところはどうなのかしらん?

 だって、ショウさんは、アタシのこと好きだ、って言ってくれたことはあるものの、初めての電話で、しかも結構サラッと言ってきたよね?




 アタシは、ショウさんのこと好きだけど、もし、これが遊びだとしたら(だって、31歳が20歳の小娘ひっかけるなんて変やろ?)、ショウさんを理由にはるきをフッたら、はるきに本当に申し訳ないし、自分でも悔しい。



「うーん…。もうちょっと待って。ごめんね。はるき以外にもアタシのことを好きだ、っていってきた人が最近現れて…。一応、その人の気持ちにも少し耳を傾けてあげたいんだ。」


「そっかぁ…。わかった。急がなくても、構へんからな。」

 少し悲しそうにはるきが言った。





 こうなったら、ショウさんに告白しなきゃ!


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