好きのおもさ
だけど私は何も返答しなかった.
彼はクラスの中で一番気さくで、なおかつ私と親身になろうとしているからだ.
私は怖いのだ.
また他人に気を許しそうで.
もうあんな思いをしたくないのだ.
「どうしたんだ、そんな怖い顔して」
いったんは彼の方を向き、また席に顔を下ろしている私を不審に思っている宇川くん.
「べつに.
気にしないで」
「おまえさ、どうしてクラスに馴染もうと思わないんだよ?」
こんな質問...
入学する前に覚悟していたことだ.
取り乱すことなんて無い.
「怖いから」
いたって冷静に答えた.
「ハハハ!
何に怖がってんだよ!!
なぁなぁ、コイツおもしれぇーぞ!」