Heat haze〜陽炎〜

時の流れ

約束の日

私は平静を装い大学へ

キャンパスを歩いていると弘人先輩に呼び止められた


「りょう、おはよう。」


相変わらずカッコいい


「おはよう。先輩。」


一緒に講堂までむかう

「今日さ、りょう午後から抗議無いでしょ?
久しぶりに映画でも行かない?」



ビクッ


不意に言われた一言に血の気が引いていくのがわかる

「ごめんなさい。
今日は予定があるんです。」


「予定?なんの?」



ヤバい
どうしよう
上手く誤魔化さないと


きっと
先輩がモト兄の事を知ったら会いに行かせてもらえない


「高校の時の友達がこっちに来てて、東京案内含めて遊ぶ約束しちゃったんです。」



「なんだぁ―。じゃしかたないか。
その友達によろしくな。」


そう言って先輩の背中を見送る



チクリ


生まれた罪悪感…


ごめんなさい先輩
< 51 / 91 >

この作品をシェア

pagetop