Golden Apple

小さめの声で小学生が耳打ちする。あたしもそちらに視線をやると、


「良い観察眼持ってんね」


誉めておいた。きょとんとした顔がそれを誉め言葉として受け取ったのかは分からないけれど。

視線が合って、あたしが肩を竦める。それに気付いて相手も近寄ってきた。


「久しぶりじゃん、クラギ。元気してた?」

「久しぶり。レナコも刺されてなさそうで何より」

「私は刺されないでしょー。絞殺はありそうだけど」


薄い桜色の唇が微笑んだ。
物騒な会話をしながら。

小学生を視界に入れて、「デキちゃった感じ?」と薄ら笑う。



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