Golden Apple
靴を履いたタチバナがくるりとこっちを振り返った。何か? と視線で聞く。
ひとつ、と続けた。
「伝言、ミカミから。トーガと寝て帰ったら全身消毒漬けにするって」
「は…? こわ」
「それを本人から聞いた俺はもっと怖かった」
尤もなことを言って玄関の扉を開けた。
「あんまりミカミ困らせんなよ」
「…タチバナってミカミに従順。この前も口聞かなかったときそういうこと言ってた」
背中を向けたタチバナが肩越しに振り向く。
「俺等はミカミが居ねえと動けねえんだよ。それの機嫌をころころ変えてんのお前なんだからな、少しは自覚持て」