Golden Apple
ここで何回も安いライターを買ったな、と思い出す。あたしが来ない数ヶ月の間で潰れてしまったのか。
「あ、ミカミから」
スマホを出したトーガが言った。
「…あ? 今? 今はクラギちゃんと、」
それをひったくる。そして躊躇せずに薄い画面を二つに割った。我ながらすごい握力。
「ぬおっ?」
変な声を出したのはトーガ。あたしはそのポケットに割れた欠片を入れた。
「ちょ、女の子のアドレスが…!」
「だって入ってたの、セフレばっかだろ」
「…否めない」
「虚しいだけなら止めとけば。続けてもトーガが満たされることはない」