Golden Apple
ドロドロに溶かされるような気持ちのなか、空腹もだるさもどこかに消えていて。
身体中の色んな所に口付けが落とされて、舐められて、噛まれて、結局唇に戻ってきて。
夢現で自分の感じる声を聞いた時にはもう手遅れだった。
あたし、ミカミのことが好きなんだ。
ずっとミカミの玩具なんだ。
そう気付いて、少しだけ泣いた。
「好きです」
「何プレイ?」
「キミより二年早く産まれれば良かった」
前も聞いたことのある台詞に、考えを少し逸らす。
あれは、確か正月のとき。