Golden Apple
河川敷だ、と答えた奴はどこかへ行ってしまった。ここまで来ればあたし等には用無しらしい。
入り口にはコンビニのパンの袋やペットボトル。飲まず食わずってわけではなかったらしい。
「ミカミ、……卯月」
ミカミの手首には手錠がかけられていて、その膝には卯月の頭が乗っていた。衰弱しているのか、どちらも動かない。
ナイフを落として、そこにしゃがんで顔を覗き込む。「ミカミ? 生きてる?」もう一度聞く。
「…はい。クラギ、物騒なもの持ち歩いてますね」
最初にそれかよ、と視線がナイフに向いていた。