星屑ビーナス







そうして買い物を終えた私とかおりは、大きめの紙袋を手にショッピングセンターの中を二人で歩く。

袋の口の隙間から見えるのは、ライトパープルの生地。



(…結局かおりの勧めたドレスを買ってしまった)

まぁ胸元はショールでいくらでも隠せるし、着てみたら確かに悪くはなかったし…たまにはいいよね、そう自分に言い聞かせる。



「買い物も終わったし…どこかでお茶でもする?」

「うん。じゃあ3階にあるカフェ行こうよ」



かおりとそう歩きながら通りがかったのは子供服やベビー用品の置いてあるお店。



(子供服…可愛いなぁ)

何気なしにそこへ目を向けると、どこか見慣れたその後姿。



「…あれ」

「……」



よくよく見ればそれは男二人でベビー用品を見る真崎さんと浅田さんで、二人もこちらの視線に気付き動きを止める。



< 125 / 334 >

この作品をシェア

pagetop