星屑ビーナス



そう思い出にふけりながら、昼休み終わり直前の廊下を一人歩く。



(…飯食う暇なかったな。店舗つくまでの間に車走らせながらゼリーでも飲んでおくか)

仕事をしていると、つい時間を忘れやすい。昼休みの時間帯に昼食を取れないことも、帰りが日付けを越えてしまうことも俺にとってはよくあることだ。



オフィスに戻って荷物持って…と考え、何の気なしに通りかかったのはオフィス手前の給湯室。そこからは、キャッキャと喋る女社員たちの高い声が聞こえてくる。



「…で〜、それがぁ、そんな感じで〜」

「あはは、マジうける!」



(この甲高い声は第三商品部の奴らだな…)

うちの第一の奴らは性格はきついがオフィス以外で集まって喋るタイプじゃないし、奥谷のところの第二の奴らはこんな頭悪そうな話し方はしない。

そもそももうすぐ昼休みも終わりだっていうのにいつまでもこうしてたまってるような、やる気のない奴らは第三の奴らくらいしかいない。



(お客様対応専用の部署のくせに電話対応が悪いってクレームくるくらいだしな…)

きちんと仕事をこなす奴もきちんといるからこれだから女は、なんて言葉は使いたくない。けれど、言われても仕方のない態度を取っているのは本人たちだ。




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