星屑ビーナス



「奥谷」

「…?」

「…俺は、」



そして何かを言いかけたその時、私たちの背後ではガチャリという音とともにドアが開かれた。



「…あれ、真崎さんと奥谷さんまだここにいたんですか?17時からの親睦会、遅刻しちゃいますよ」

「あっ、うん…」

「今行く。戸締り頼むな」

「はーい」



戸締りをしにきたらしい第一商品部の女性に、真崎さんは触れた手を離しまとめた荷物を手にして歩き出す。



「……」





『…俺は、』





あの言葉の続きは、何なんだろう

どうして手に、触れたんだろう



(…なんで、)



知りたいよ

その心の中身

触れられた手に、彼の熱だけが残る






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